メープル*パンケーキ【1巻】

いつもは穏やかな藤枝さんの眉毛が吊り上がり、目が据わってきて……無表情気味なんだけど怒りのオーラが滲み出ているのが分かる。

…下手に口を挟むと手で征されそうな感じ。

「…まぁまだ若いから余裕なんじゃね?みたいなノリなんだろうが、いつまでもそれが通用すると思うな…っておじさんは思う訳よ。」

『は、はい……。』

私と目が合うとグシャグシャと点けたばかりの煙草を荒々しく灰皿に押し付けて火を消し、バツが悪そうに苦笑いを浮かべた。

「…はぁ~ああっ。…なんかごめんね、夏音ちゃんが気になってる男をちょいとばかし悪く言ってさ。」

『いえ……。』

―へっ―?
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