メープル*パンケーキ【1巻】
『う、うん。…あ、電気消すね?電気点けっぱなしだと眠れないだろうから。それと鍵は管理人さんに掛けてもらった方が良いかな。』
「ううん…鍵は自分で閉めるから。よいしょ…っと。」
『あっ、無理して立たないで!』
「あはは、この距離は歩けるから…大丈夫だよ。あのさ…夏音さん…その―」
帰り支度をしながら彼の顔を覗き込むと、何か言いたげに口を開いたかと思えば目が合うなり首を小さく横に振り柔らかく笑った。
「…っ…。ううん、やっぱ何でもない。風邪移ったらゴメンね♪」
『ふふっ、大丈夫♪…食べられる時にスープ食べてね?』
「うん、ありがと♪…おやすみ。」
『…おやすみ。』
―バタン。