メープル*パンケーキ【1巻】
お客さんが居るのにも関わらず、楓さんはおふざけモードで冴木君は眉間をピクピクさせている。
「あっ、幾斗♪持ち場交換する?俺夏音ちゃんの隣行きたい♪親睦深めたいしさ♪」
すくい上げたばかりの白玉が乗ったおたまを持ったまま私の方に移動しようと身を乗り出した楓さんを、冴木君は私を庇う様に然り気無くガードしてくれる。
そんな彼に密かに胸をときめかせながら私は私で冴木君に寄り添った。
「却下。ていうか客を目の前にして盛り付いてんじゃねーよ。」
「何それ、人聞き悪。幾斗ばっかり夏音ちゃんキープしてズルいよな~…心狭いとモテないぞ ?」
「別にそんなつもりで夏音さんの横に居る訳じゃないし。…あのさ、早く白玉入れてくんない?手止まってるんだけど。」