メープル*パンケーキ【1巻】
さっきまで楓さんと会話していたはずの冴木君は…鋭い視線をお客さんに浴びせている。
冴木君の敬語ってなんか迫力があるんだよね…。
「御遠慮、いただけますか?お客様。」
「…っ…!は、い…すみません!」
念を圧す様に再度言い改めると諦めてくれたのか早々と立ち去り人混みの中に消えてしまった。
『…ありがと、冴木君。…ナンパされた時無いから断り方解らなくて…。』
「俺が追っ払うから、夏音さんは仕事に集中してて良いよ?」
『うんっ、分かった!…でももうナンパはされないから大丈夫だよ♪』
にこやかに笑ってた彼だったけど、その直後呆れたように溜め息をついて肩を落とす。
「…その台詞さっきも聞いた。さっきから何回同じ事言ってるの?店に立ってからずっとじゃん……。」
『…そうだっけ…?あはは。』