メープル*パンケーキ【1巻】
「手、繋いで帰ろっか♪」
『うん♪』
藤枝さん達の所に着いた時には、私達の雰囲気で何かを察したのかニヤニヤしながら出迎えてくれた。
頼まれていたケバブを渡したら美味しそうに頬張る藤枝さんは、どこか安心したかの様な面持ちで優しく微笑んでくれた。
満面の笑みを返すと、小さいウィンクが飛んできて全てお見通しなんだと思い知らさせる。
店仕舞いもして、アパートまでの帰路につく。お互いが住む部屋の前に到着するとなんか少し寂しい。隣同士なのにね。
すると繋いだ手に力を入れそっと抱き寄せられると…触れるだけのキスをされてトクンと胸が鳴る。
「おやすみ…♪」
『っ…おやすみっ…♪』
8月14日、27歳。ついに彼氏が出来ました―。