家族じゃなくなった日。
そして私は、彼に私の夢を語った。
小さい頃からの夢。
それを叶えるために私は来たんだ、と。
「それでは、社長は……。」
「ご存知でないでしょうね。」
「会いに、行かれないのですか?」
「私はまだ見つかるわけにはいかないんです。父が私を見つけたら私をひいきしてしまう。私は私の力で父たちの隣に立ちたいんです!……だから!だからどうか父には秘密にしておいてください!」
私は運転している横山さんの横から頼み込んだ。
「このままずっと言わないのですか?」
「夢が叶う時、また会えます。」
「廊下ですれ違ったらどうするんだい?」
「その時はその時です。諦めます。」
横山さんはいらん事を聞いたみたいな感じだ。
「立派になられましたね、お嬢様。」
「ありがとう。」
そして私たちは約束をした。
バレるその時まで秘密を守り続けると。