【短】甘えたがりな彼氏サマ
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「ちょ、ちょっと…橋本っ!」
「きぃ、早く」
ずるずると引きずられること数分。
もう何度も来た、橋本が住む男子学生寮の226号室。
ーーーーーーガチャ
「はい、入って」
そこに、私は無理矢理入れられた。
「ねぇ橋本、急にどうし……んっ」
"どうしたの?"
そう言おうとした私の口は、いとも簡単に塞がれてしまった。
目の前にある橋本の顔。
よく知ってる唇の熱。
急だったのに、橋本にキスされたと気付くまでそう時間はかからない。
「ちょっと、きぃ不足」
やっと唇を離したかと思えば、ニッと悪戯にそう笑った。