心臓の音
ナイフの雨
煩い煩い
耳障りだ
酷く不愉快な声は今日もずっと耳元でわたしに囁く
きっとムリだよ
また失敗する
君には才能がない
どんなにがんばったって、
否定的な言葉ばかり並べてるのは誰だ
いい加減黙れ
朝から晩まで一日中
安息の時間はそれこそ寝てるときだけ
起きたらまたあの声がする
わたしは目を覚ますのが恐ろしくなった
ある夜とうとうこのまま目が覚めなければいいのにと思った
真っ暗な天井を見上げて強く思った
明日も明後日もこなければいい
呟いた言葉はあの声と同じものだった
ああ、そうか
これは全部わたしなんだ
わたしがわたしに云っていた
言葉
ナイフの雨を降らせていたのはわたしだった
救われたいと望む一方で追い詰めてやりたかった
否定していたのはわたしだ
大切にしなければいけないものを壊してやりたかった
ねぇそうなんでしょう
わたし