君のウソに涙のキス
私は、また席に座って本を読み始めてると、
白石くんの席から、女の子の可愛らしい声が聞こえた。
「あ、そういえば、この間、晴のお姉さん
見かけたよぉ~」
お姉さん?
「あー、美晴さんだっけ?
美人だよなぁ~」
み、はる?
「え、なになに!? 晴の家族の話?
私も聞きたい~!」
あ……っ、
反射的に、体が白石くんの席に方向に向いてしまう。
「別に、あいつ結婚してるし」
「うそ、だろ……。
俺の夢が壊れた…」
白石くんが、そう言うと、その周りにいた男子は全員ガッカリした。
私は、ジーッ見てると、チラっとこっちを見た白石くんと目が合ってしまう。
あ……っ、びっくりした私は慌ててしまう。
白石くんを見ると、クスッと笑っていて、
私は、真っ赤になってしまう。
ああ、でも、私って、全然知らないんだなぁ
知らないことだらけで、少し申し訳ない。