君のウソに涙のキス
「え、でも……っ」
はぁ?まだダメなのかよ…?
じゃあ……。
「1ヶ月、それでもし、俺のこと好きにならなかったら別れていいから。」
俺は、そう頼み込むと、相原さんは、こくっと首を縦に動かした。
その後、相原さんを駅まで送り、俺は家に帰る。
「ただいま」
そう言うと、子供の泣き声と、慌てる声が聞こえてくる。
「……また来てるのかよ」
呆れた顔でそう言うと、ムッとした顔で振り返り、俺の足を思いっ切り蹴っ飛ばす。
「なに? 来ちゃダメだって言うの?
お姉ちゃんに向かってその言い方?」
「くそ……っ、姉貴、」
そう、俺の姉。
白石 美晴(シライシ ミハル)は、美人で優しそうな性格をしてそうだけど、家では鬼のように怖い。
そんな姉でも、27歳。結婚はしているが、よく夫の智さんと喧嘩しては、一人暮らしの俺の家に居候に来る。
「もーっ、聞いてよ!智くんったら、
またシャツに女の子の名刺入ってたのよ!」
あーあ、またこれか。
家に帰ってくるといつもこれ。
そして、その美晴の子供の、春馬は、すげえ、生意気だ。