君のウソに涙のキス
いや、だからって、相原さんがそんなに嬉しそうな顔しなくてもよくね?
「………」
何かが気に入らなかった俺は、立ち上がって、
相原さんの席に近づく。
「サンキューな。妃莉。」
そう言って、笑いかける男。
相原さんも、嬉しそうに微笑む。
何なんだよ。
楓太も、 "妃莉ちゃん"だし
それに、あの男。
なんで"妃莉"なんだよ
気に入らねえ。
そして、相原さんに話しかけると、そいつは走って教室から出て行った。
「……え?」
「放課後、残れる?」
そう聞くと、目を見開いてから、こくっと首を縦に動かした。
その姿が、なぜか可愛いと思ってしまう。
でも、これは賭けだから
だから、惚れるなんてありえねぇ。
………よな?
ー晴sideー 終わり