君のウソに涙のキス
電話だから、すぐ近くで話されてるような気分。
「え? 明日ですか…?
暇、ですけど…」
私は、そう言うと、白石くんに驚きの事を言われた。
「 ええっ!? デ、デート!?」
私はびっくりして、大きな声を出してしまった。携帯からは、白石くんの焦る声が聞こえる。
【まぁ、嫌ならいいんだけどさ】
白石くんが、そう言う。けど、私は、
嫌なんかじゃない。むしろ嬉しい。
「行きます……!」
元気よくそう言うと、ぶふっと笑い声が聞こえてから、【じゃあ、10時に駅で】白石くんは、そう伝えた。
私は電話を切ってすぐに、クローゼットを開いた。中から服を取り出して、いろいろ考えた。
そんなことをしてるうちに、あっという間に朝になってしまい、私はむくり、と布団から出る。
用意した服に着替えて下に行くと、お母さんがソファーに座ってテレビを見ていた。