君のウソに涙のキス

その言葉が嬉しくて






いつものように学校へ行くと、白石くんの周りには、やはりたくさんの人がいた。


その姿を見て、チクリ、と胸が痛む。



靴を履き替えて、階段を上がっていると肩をポンッと叩かれた。びっくりして振り向くとそこにはジャージ姿の柊ちゃんの姿があった。


「柊ちゃん! おはよ〜」


パアっと目を輝かせると、柊ちゃんは、ぶっと吹き出した。


「なんでそんなに目が輝いてんだよ……ふっ、」


「朝に会うのは久しぶりだなって……」



そういうと、柊ちゃんは、立ち止まった。


「あれ? 上行かないの…?」

私も止まって後ろを向くと、柊ちゃんが、下を向いていた。



どうしたんだろう……



「……また、3人で居れるように頑張るから
だから、今までごめんな……」


そう、ポツリと呟くと私の手をギュッと掴んだ。私はその手を優しく握り締める。



「無理、しないでいいよ……っ、
……少しずつ前みたいになっていこうよ」



そう言って微笑むと柊ちゃんも安心したような顔をした。





柊ちゃん、これからもずっと笑っていて




もう、あんなわがままいわないから、ね






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