君のウソに涙のキス
そのまんま、駅に向かって歩いていつもの電車に乗れた。
そっから、二駅乗り降りた。
「んーっ!」
降りると、美咲はグッと背筋を伸ばすと、「あ!」と何かを思い出したように大きな声を出した。
「え、ちょっと……美咲?」
周囲からは変な目線で見られる。
美咲は、ハッとして早足で私とエスカレーターに向かう。
「もう、いきなりどうしたの?
なにか 忘れ物?」
私がそう尋ねると、美咲は、にんまりと笑いながら顔の真似で両手を合わせてきた。
「今日、英語当たんのよ!お願い…っ!
ノート見せて!何でも奢るから~!」
美咲は、チラっと私の顔を見てウインクをして笑う。
そんな美咲の姿を見てしまうと、私は、ため息をついてからクスっと笑って「仕方ないなぁ」と言った。