君のウソに涙のキス
「やった! ほんとにありがとう~っ」
お礼をいう美咲。
私は時計を見て、急ぐ。
「ほら、美咲、行こう」
すると美咲は、走ってきて私のあとを着いてきた。
駅から学校まで15分。
まだ時間は大丈夫。
でも、美咲にノートを見せなきゃいけないから~、早く行かなきゃね。
そして、学校につき、昇降口に行くと、人だかりができていた。
私は、いつものように自分の下駄箱の前まで行くと靴を履き替える。隣では、美咲が履き替えている。
すると、足音が聞こえて、私の後で止まった。
美咲は後ろを見て驚いた顔をしてる。
「……え?」
後ろを振り返ると、そこには大きな体が。
「おはよう、相原さん」
その声を聞いただけで、分かってしまう。
そして、思い出してしまう。
私は、顔を上げるのが恥ずかしいから、
下を見てしまう。
「おはよう、白石くん…」
多分、顔が真っ赤になってしまってるはずだ。
だから、上げたくない。見られたくない。
「……ふっ、」