テルクシペアの詩【女詩】
#421 花と種
毎日アナタの横顔を見てたわ
気付かない訳ないのよ
その目が誰を見てるのか
ナゼ飛び立ってしまわないの
ナゼ私を捨ててしまわないの
はき違えた優しさは
私を闇へと沈めるだけ
たとえ手を伸ばせば届く場所に居たって
掴めない心に意味はないの
それは幻とおんなじよ
深まる私の闇は
ただアナタが眩し過ぎて
輪郭すらも見えなくさせる
黒に染まった私の
かすかなぬくもりだけを
慣れた身体と抱かないで
そこに心はないのでしょ
それならいっそ
『サヨナラ』を云わせてあげる
全てに平等な
『サヨナラ』を……
さぁ、いってしまえばいい
私の身体に種を残して
大事に育てて咲く花は
誰にも見えやしないから
私だけのものでしょう
【#421 花と種】