テルクシペアの詩【女詩】

#494  罪の底



忘れないハズの何かがあるでしょ

忘れちゃいけない何かがあるでしょ


忘れちゃった貴方に何が出来るかしら

いったい何が出来るのかしら


そうね 何も出来ないわ

何も 出来やしないわ


袋の猫みたいに 蹴とばされて

ただ泣くだけね





いいざまよ





あの時 誰かはこう言ったとか

それは 誤解なんだとか


どうでもいいのよ


大切なことは 忘れちゃったんでしょ

絶対思い出せないくらい

遠くに沈めてきたんでしょ

私が拾いに行かないように




もういいわ

どうでもいいわ 貴方なんて


すっかり忘れてあげるから




二度と浮かんでこれないように




遠くに沈めて








『忘れてあげる』







【#494  罪の底】
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