【完】素直じゃないね。
今年の夏祭りが、ちょうど追試験の日に被っていたのだけれど、なんとか免れられた。
今回のテスト勉強を頑張った最大の理由がこれ。
なんとご褒美が乃亜との夏祭りデートだっていうんだから、頑張らないわけにいかない。
上位には食い込めなかったものの、追試にならなかっただけで万々歳だ。
乃亜に関しては、テスト順位上位の常連だから、まったくもって心配してなかった。
乃亜が、嬉しそうに胸の前で手を叩く。
「浴衣準備しなきゃ!」
「の、乃亜たんの浴衣……!」
その響きだけで、鼻血モノ確定。
ケータイの容量十分確保しとかなきゃ。
「つかさちゃんも着るよね? 浴衣」
「乃亜が着るなら着ようかな」
浴衣なんて、何年ぶりだろう。
夏祭りに行くとしても、私服とか制服でばかり行っていたから、浴衣は久しく着ていない。
「あー、楽しみ!」
乃亜の浴衣姿も、夏祭りも、楽しみすぎて待ち遠しい。