【完】素直じゃないね。
だって、そこに宙くんと高嶺が立っていたのだから。
な、なんでこんな大勢人がいる中で、このふたりに遭遇しちゃうわけ!?
私服姿のふたりは、今日も無駄にかっこいい。
相変わらずまわりの女の人達の視線集めている。
でもそんな視線も気にすることなく、宙くんが前のめりになって、両手を胸の前で上下にぶんぶんと振る。
嬉しそうに、ピカピカの笑顔を浮かべて。
「祭り、ふたりも来てたんだ!
会えるなんて嬉しいなー!
ふたりとも浴衣姿かわいーっ!」
「あはは……」
相変わらず元気で軽いよ、宙くん。
「宙くんと高嶺くん、ふたりで来たの?」
乃亜が聞くと、宙くんが腰に手を当て大げさにため息をついた。
「そー。でも、やっぱりお祭りっていったら、女の子と回らなきゃだよね!」
そ、そういうもん?
多分それ、宙くん論だと思うけど。