【完】素直じゃないね。


高嶺をまじまじと見ていたあたしは、思わずくすっと吹き出してしまった。


だって、高嶺がつけているのはひょっとこのお面。


「ふふ、なんでそんなお面持ってるの?
買ったの?」


「宙がふざけて買ったんだよ」


「なるほど、宙くんチョイスね。
でも、突然つけてどうしたの?」


「ふたりでいるとこ見られても、これつけてればバレないだろ」


「高嶺……」


この前のこともあって、心配してくれてるのかな。

不謹慎かもだけど、ちょっと、嬉しい。


思わず目元の力がふっと抜ける。


「ほら、行くぞ」


「うんっ」

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