【完】素直じゃないね。
「君、もしかして男が苦手?」
「はぁぁぁ〜……」
長すぎるため息を吐きだしながら、あたしはトボトボ校門をくぐり、校庭を歩いていた。
告白する間も無く、失恋だなんて。
高嶺が告白をすべて断っていた原因もわかった。
理由は簡単、彼女がいたからだ。
あの後、あたしの横を通って行ったミオリさん。
あたしの存在に気づいていないことをいいことに、思いっきりガン見しちゃったけど、すっごく美人だった。
多分、三、四歳くらい年上だろう。
でも、小顔でお人形さんみたいにひとつひとつのパーツが整っていて、ザ・守ってあげたい系女子だった。
〝高嶺の彼女〟であるべきって感じの人。
美男美女でお似合い。
あたしが入る隙なんて端からなかったんだ……。