【完】素直じゃないね。
「はぁぁ〜……」
深い深いため息をついたとき。
「つかさちゃん……だいじょぶ……?」
躊躇いがちな癒しボイスが降ってきた。
この癒し効果MAXの声の持ち主は。
「乃亜ぁぁぁ!」
ガバッと顔を上げれば、心配げな表情を浮かべた乃亜がちょこんと首を傾げ、あたしの机の前に立っていた。
「元気ないけど……なにかあったの?」
もう乃亜の姿見たら、一瞬で完全復活しちゃったよ……!
でも、心配してくれる乃亜があまりに可愛くて、もっと心配してほしくなっちゃって、「実は、昨日、」そう言いかけた時。
どこからともなく冷たい視線を感じて、あたしはビクッと肩を震わせた。