【完】素直じゃないね。
「高嶺のためにできることは、なんでもしたいの……っ」
考えるより先に口から出る言葉は、あたしの紛れもない本心で。
難しいことを考えるのは、今はもうやめた。
ただただ、居ても立っても居られない。
驚いたように目を丸くしていた宙くんは、やがてふわっと柔らかく笑った。
「……ありがとう。
俺は校舎を探すから、日吉ちゃんはグラウンドの方を見てもらってもいいかな」
「わかった」
宙くんと手分けをして、高嶺を捜しだす。
あたしは廊下を駆け抜け、グラウンドに向かった。