【完】素直じゃないね。


◇ つかさside






日直の仕事を終えて、少し遅くなった下校中、偶然流れ星を見つけた。

調べれば、今日は流星群だったらしい。


それをどうしても伝えたくて、高嶺に電話をかけた。


『幸せになってね、高嶺』


そう言って、一方的に通話を切る。


途端に、あたしのまわりから音が消えた。


ぽたっぽたっと、コンクリートに涙の粒が落ちていく。

我慢していた感情が、枷が外れてあふれるように。


「高嶺……」


その名を呼ぶ声が震え、濡れていた。

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