【完】素直じゃないね。
翌日。
登校すると、校舎に入ってすぐの掲示板の前が騒がしくなっていることに気づいた。
なにごとだろうと横目にしながらも、大して気にせず、下駄箱にローファーをしまっていると。
「つかさちゃんっ」
どこからか、とんでもなく可愛い声が聞こえてきた。
……この声は!
「乃亜たんっ!」
思わず声のトーンが五くらいあがる。
先に登校していた乃亜が、あたしの元へ駆け寄ってきた。
ああ、もう、今日もなんてかわいいの……!
乃亜がいるこの素晴らしき世界、おはようございます!
乃亜を産んでくれたお父さんお母さん、おはようございます!
でへでへと顔を緩ませて、こちらに駆け寄ってくる乃亜を見ていると、乃亜の表情がパニックの色に染まっていることに気づいた。