【完】素直じゃないね。
なにかあったのだろうか。
「つかさちゃん、あのね、大変!」
んもうっ。手をばたばたさせてる乃亜も鼻血級に可愛いんだけど。
でも、なんだか今はそれどころじゃなさそう。
「どしたの? 乃亜」
「校内新聞につかさちゃんたちが載ってるの!」
「へ?」
……そういえば、あの人だかりって……。
ふと勘づいて人だかりの方に顔を向ければ、みんなやっぱり壁に貼ってある校内新聞に注目していて。
あたしたちが載ってるってどういうこと……?
状況がわからず、その人だかりに駆け寄り、後ろから校内新聞を覗けば、でかでかと書かれた見出しが見えた。
『スクープ! だれもいない図書室で抱きしめ合うふたり…』
その見出しの隣の写真に写っているのは、間違いなく充樹先輩とあたし。
名前は非公表になっているものの、ばっちり顔が見える。
うそ……。昨日の、見られてたなんて……。