【完】素直じゃないね。


「だから、すごく嬉しかったんだ。
俺の告白を断ってくれた時。
嬉しいなんて言葉はちょっと変だけど、でもうん、ホッとした。
俺の告白につっちゃんは、真剣に向き合ってくれたから。
体面を気にしたり、嘘ついたりしないで、自分の気持ちをちゃんとぶつけてくれた」


膝に伝わってくる、充樹先輩の体温は温かくて。


「トラウマになったあの日から初めて、女の子のことを信じられたんだ」


ドクンと、心臓が揺れる。


「好きだよ、つっちゃん」


「……っ」


思わず言葉をつまらせる。


なんでこんなにも、まっすぐ伝えてくるんだろう。

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