【完】素直じゃないね。
Chapter▷▷5
「全部本心だから」
「最近、女子高生を狙った不審者が出ています。
みんな、気をつけるように」
朝のSHR。
眠気が冷めず欠伸をしていたあたしは、ふと耳に届いた担任教師のそんな話に、一瞬にして睡魔を吹き飛ばしハッと目を見開いた。
むむむ……! 不審者だって!?
思わず、少し離れた席に座る乃亜を見やる。
今日も安定の三つ編み乃亜たんは、おりこうさんに先生の話を黙って聞いている。
こんな可愛い天使を、不審者がうろつく野に放つなんて、そんな恐ろしいことできない……!
というわけで。
「乃亜。 あたし、乃亜の登下校が心配だわ……!
送り迎えしようか!?」
SHRが終わるが早く乃亜の席に駆けつけ、前のめりになって食いつくようにそう提案する。