【完】素直じゃないね。
ふと、乃亜が眉を下げて、不安そうな表情を作った。
「それより、つかさちゃんこそ大丈夫?
つかさちゃんの家の方面、人少ないから心配だよ」
「えっ? あたし? 大丈夫大丈夫!」
心配することなんてないないと、ぶんぶん手を振る。
あたしみたいな女子力皆無な女子高生、狙う方が時間の無駄だし!
「でも……」
乃亜が不安そうに発した声は、一時間目開始を知らせるチャイムによってかき消された。