【完】素直じゃないね。
「でも俺は、高嶺がそれくらい強く想える存在に出会えたことが嬉しい。
高嶺の気持ち全部、日吉ちゃんに届くことだけを願ってるよ」
俺は、多分、相当この親友に弱いんだろうなと思う。
うん。なんだかんだこいつに甘くなる。
「……コンビニでも寄ってくか」
「え?」
「せっかくだし、なんか奢ってやるよ」
口元に笑みを乗せてそう言うと、宙がパァッと破顔して両手を空へ掲げる。
「やったーっ!
高嶺(たかね)の王子様がイケメンすぎる〜!」
「それやめろ。恥ずい」
「俺、あったかいあん饅がいいっ!」
「話聞けっつの」
軽口を叩きあいながら、最寄りのコンビニに向かう宙と俺。
宙に話したら、だいぶ気が抜けた。
難しいことばっかり考えるのは、もうやめた。
考えてばっかりで地団駄踏んでるのは、俺らしくない。