【完】素直じゃないね。


「宙、今日からやっと登校かよ。
来るなら、連絡しろって言ったじゃん」


「あっ、おはよ、高嶺!
ごめんごめん。
乃亜と同じクラスってことつい昨日知ったから、寝坊なんてしてられないな〜って」


「宙くんと同じクラス、初めてだよねぇ!」


「たしかに! 初めてじゃん!」


乃亜と宙くんのほわほわトークが始まったところで、高嶺が肩越しにこっちを振り返った。


「大丈夫かよ」


あたし以外、だれにも聞こえないような小声で囁く高嶺。


あたしはコクコクと頷いた。


「うん、なんとか……」

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