【完】素直じゃないね。
居場所に検討もつかなくて、あたしは一度川辺に戻ることにした。
あまり希望は持っていなかった。
だけど、その姿を見つけた瞬間、あたしは足を止めた。
彼は川辺に立ち、流れ行く川を眺めていた。
……ああ、いた。
その姿が見ただけで、愛おしさで胸が詰まる。
気づけば、あたしはこんなにも──。
そっと歩み寄り、高嶺の後ろに立った。
「……あたしは日吉つかさ。高二」
だめだ、今にも泣きそう。
だけど、涙をこらえて。
言葉にするの。
あたしの気持ち、全部全部。