【完】素直じゃないね。
「ご案内いたしますね」
案内係のウェイトレスさんの後をついていくあたしたち。
店内は、放課後だからか、学生で溢れていた。
それにしても、まわりからの視線を感じること感じること。
高嶺は言わずもがなだけど、宙くんも相当モテるらしい。
視線に圧されて、高嶺と宙くんから距離をとって数歩遅れて歩く。
美形のこのふたりが揃うと、破壊力がハンパじゃない。
悔しいけど、やっぱりどこにいっても注目の的ということだ。
当の本人達は、なに食わぬ顔してるけど。
やがてお店の一番奥まで来たところでウェイトレスさんが立ち止まった。
「お席はこちらになります」
席に着くなり、あたしはさりげなく乃亜の正面のポジションをゲット。
一番視界に入る正面は、女子じゃないと絶対無理。
続いてあたしの隣に高嶺、乃亜の隣に宙くんが座った。