【完】素直じゃないね。


「へー、そうなんだ。
俺と高嶺は中学からの付き合いだよ。
ね、高嶺」


「そうだな」


「高嶺と乃亜は初絡みだっけ?」


宙くんの問いに、高嶺がグラスを持ちながら答える。


「うん、話したことはなかったかな。
でも、隣の中学に可愛いいとこがいるってことは宙から聞いてたよ、乃亜ちゃん。
噂どおりだったね」


「……えっ!」


高嶺が、完成されたプリンススマイルを乃亜に向ける。


すると、顔をまっ赤にさせてうつむく乃亜。


ちょ、ちょっと……!

うぶでピュアピュアな乃亜を誘惑しないで!


ビームでも出そうな勢いで横目で睨むと、高嶺がこちらに気づき、あたしにだけ見えるようにペロッと舌をだした。


完全に楽しんでる。


こんの悪魔め〜〜っ!

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