【完】素直じゃないね。
「なんだよお前」
「俺達は、この子に用があるんだよ」
ヤンキー達が食い下がる。
でも、高嶺はちっともひるまなかった。
それどころか、話を聞き入れないヤンキー達に対して、イライラが頂点に達したようで。
「あ? 痛い目見ないと分からないわけ?
俺がお前らに手出す前に、とっとと消えてくんねぇかな」
声のトーンが変わった。
高嶺のあまりの凄みと迫力に、守ってもらってるはずのあたしが思わず目を瞠る。
……うん、これはガチだ。
それを直接向けられたヤンキー達は、ひとたまりもなくて。
ジリジリと後退するヤンキー達。
「もう二度とこいつに近づくな」
高嶺の一言をきっかけに、
「なんだよ、連れがいるなら先に言えよ……」
「ちっ、つまんねぇの……」
口々にそう言って、ヤンキー達はそそくさと去っていった。