【完】素直じゃないね。


くそう。なんてタイミングの悪い。


「あっ、1限始まっちゃうね」


乃亜が教室の時計を振り返りつつ、そうつぶやく。


今日の一限は体育。


運動は得意だけど、一限から体育となると、毎週なかなかの憂鬱さで。


だけど、乃亜からプレゼントを貰った今のあたしに憂鬱なんて文字はない。


なんてったって空も飛べるほど幸せだから。

今なら、五十メートルだって四秒くらいで走れそう。


あたしは席から立ち上がった。


「更衣室に移動しよっか!」


「うんっ」





< 68 / 409 >

この作品をシェア

pagetop