【完】素直じゃないね。
くそう。なんてタイミングの悪い。
「あっ、1限始まっちゃうね」
乃亜が教室の時計を振り返りつつ、そうつぶやく。
今日の一限は体育。
運動は得意だけど、一限から体育となると、毎週なかなかの憂鬱さで。
だけど、乃亜からプレゼントを貰った今のあたしに憂鬱なんて文字はない。
なんてったって空も飛べるほど幸せだから。
今なら、五十メートルだって四秒くらいで走れそう。
あたしは席から立ち上がった。
「更衣室に移動しよっか!」
「うんっ」