【完】素直じゃないね。
「俺が消えたら、嫌なの?」
「1位は……今回も高嶺。
さすがだ、よく頑張ったな」
先生の言葉に、教室中が祝福と感嘆の声で湧く。
今はSHR。
この前行われた、定期テストの成績表が返却されているところ。
「ありがとうございます」
高嶺がプリンススマイルを浮かべ、先生から成績表を受け取っている。
完璧なのが容姿や振る舞いだけじゃないのが、高嶺のプリンスたる所以、らしい。
なんだかんだ言って、すごいと認めざるを得ない。
勉強までしっかりできるんだから。
元々天才なのか、それとも勉強頑張ってるのか。
大方前者だろうとは思うけど。
だって、高嶺が必死に勉強してるとこなんて全然想像できないし。