赤ずきんと狼さんの恋物語
出会いⅠ
「見て…あの子、あの赤い瞳…魔女の証拠よ。よく人前に出てこれるわね…」
ヒソヒソと周りの人が私の悪口を言うのが聞こえる。
【魔女】幼い頃からずっとそう呼ばれている…、理由は私が赤い瞳だから…。
赤い瞳は魔女の生まれ代わりとされ、疎遠される。
私の父と母の瞳は綺麗な緑色だった。
なのに私の瞳は赤だった。
「………」
本当は殺されるはずの私が殺されなかったのは、母がこの村の長の妻になったから。
妻になるなら私を助けてやると言われた母は、父と別れて母は長の妻になった。
それから、父は村から出ていき母は精神が壊れて死んでしまった。