赤ずきんと狼さんの恋物語

その行動にますます混乱していく。

(何で?!何では抱きしめられてるの!?)

「…チッ…気づいたか…」

男は舌打ちをすると私を肩に担ぎ、私が今までいた方に走った。

「なっ、何で走ってるの!?」

肩に担がれた今、口を塞ぐ物はない。

「黙ってろ、舌噛むぞ」

「………」

舌を噛みたくないから大人しく口を閉じることにした。

担がれていること数分がたった頃、村の門の所に着いた。

「おーい!カストルー早く来いよー」

門の方から声が聴こえてきた。

(…カストル?…この人の名前かな?)

担がれたまま、この人の名前かどうか考えていた。
私の悪い癖、大変な時ほど他の事を考えてしまう。
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