ダメオトコに恋して、バカ男に恋されて。
莉子は部活だからいつものように、1人帰り支度をして、教室を離れようとすれば、

「凪ー。一緒帰ろーよ?」

「……横山。あんた、私が言うのもあれだけど、すごいね。」

「凪に言われるのは確かにどーだろな(笑)」

「まーね。」


そんな、会話をしながら、
教室の扉の前に行くと、

教室のドアから覗き込まれた、
明らかな肉食女(笑)の3年の先輩達。

……瑠依くんか。

「瑠依〜?」

「あれ?先輩達、どーしたのー?」

「あはは。瑠依ちゃん、別れたって本当〜?」

……って。

早っ!
どこから情報仕入れてくんだ?

「先輩達、なんで知ってんのー(笑)?」

「ほら、やっぱり!」
「本当だったんだー」

数人の先輩達が笑ながら

「昨日、駅前で、本女の女の子泣かしてたって(笑)この子が見たって言ってたよー」

「あー。」

「珍しいじゃん、瑠依が女の子泣かせるなんて(笑)」

「ってか、泣いたらもう、終わりって、知らなかったんだね〜。可哀想ーに(笑)瑠依ちゃんめんどくさいの嫌だもんねー。」

「あー。そーいう事言わないでよー。」


瑠依くんの少し気まずそうな顔。
それでも、肉食女達は楽しそうに、話を続けてる。

先輩達が邪魔で、
教室から出るに、出られない。

立ち尽くしていれば、
私の視線に気付いた1人が、


「凪ちゃん、やったね!瑠依ちゃん、フリーじゃん、って、関係ないっか(笑)」

「瑠依ー慰めてあげるから、おいで〜(笑)辰巳も一緒帰ろーよ。」


明らかな、からかいと挑発だけど、
とりあえず

「あはは。先輩、さよーならー。」

無理やり、
先輩達の間を1人で抜けていく。

無視する程、
子供じゃないし。

もう、関係ないんだから。

瑠依くんが私に、何か言ってたけど、
肉食女を振り払うほど、やる気があるはずがない。


そのまま、私は教室を離れ、
玄関へ向かった。
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