ダメオトコに恋して、バカ男に恋されて。
翌日の放課後

横山に呼びだされた。そして、前置きなんかなく、私の心をまた、揺さぶる言葉。

「凪さ、俺嫌?」

「……嫌とかじゃないよ。ごめん。」

「はは。そこで謝んなよ。」

「だって……」

「俺は凪が好き。瑠依より大事にする自信もある。」

「……。」

「この前まだまだとか言ったけどさ……。やっぱり俺おまえとちゃんと付き合いたくなった。」

「……。横山、「だから、さ。俺が本気で、800M勝ったら付き合って。デートとかじゃなく。無理だったら諦めるよ。」

「いや……。」

「いいよ。まだ瑠依でも。でも、とりあえず付き合ってから好きになるかもしんないじゃん?難しく考えるんなって。な。」

「だって……」

「それとも、俺が負けて俺と付き合えなくなるのが嫌とか(笑)なら全然いいよ(笑)」

「あんたね。」

「んじゃ、いいじゃん。」

「……」

「凪ー。あんまそんな顔してんなって。そんな顔してっとまたチューするぞ(笑)」

「バカ男。」

「言ったろ?それでもいいって。」

「……あんた本当にバカだよ。………。」


瑠依くんが好きなのに、でも、横山の気持ちは素直に嬉しいんだよ。瑠依くんもこんな感じなんだろうな……。

でも、瑠依くんは変わらない。

なのに、私は……。
瑠依くんを好きって言えばいいのに。

なのに……。

「でも、そ、だね……勝った時はあんたと向き合ってみる。」

こんな返事をするやつなんだよ。

こんなふうに、流される、
私のどこがそんなにいいんだよ。
< 121 / 141 >

この作品をシェア

pagetop