ダメオトコに恋して、バカ男に恋されて。
ちょっと待てよ。
瑠依、おまえ……。

明らかに嫉妬とも言えるあの発言。

あいつは流したつもりだけど、
さすがに俺は流せねーよ?

瑠依の言葉だけで終わらせたくなくて、凪にもう一度きちんと伝える。

俺の告白に少しながらも照れてくれる凪を見るのはちょっとだけ嬉しくて、だって、最初っから意識されてた訳じゃねーからな。

ちょっとだけ調子に乗って

「凪は可愛いなー?瑠依?」って

相槌を打ったのがそもそもの間違えだったんだ。


もう、凪は1人帰った。だから、瑠依に、

「んじゃ俺も帰るわー。」と言えば

「うん、凪は可愛い。」

「……。」

「やっぱり違くないよなー。」

「はぁ?」

「同じだと思うんだけどなー。」

「瑠依……。俺、本気だから。」

「あー。みたいだね。」

「邪魔すんなよ。」

「……。」

「そこは、返事しろよ。」


「辰巳ー。凪は可愛いよねー。」

「知ってる。」

「んで、辰巳はかっこいい。」

「まぁ、な。」

「あはは。おまえのそーいう所、好きだなー。」


「ウザイ。とにかくもう、おまえは今更なんかしてくんなよ。今迄通り普通に楽しんでろ。」

「普通ね……。」

「返事しろよ。」

「まぁ。辰巳に言う事なんて、俺ないよ。」

「……凪にはあんのかよ。」

「……。」

「だから、返事しろって。」

「あはは。」

「笑ってんじゃねーよ。」

「凪にも前に言われたー(笑)まぁいいや、俺日誌続き書くから帰ればー?じゃーねーかっこいいヒーローくん(笑)」

「うるせーよ。おまえマジでやめろよな。じゃーな!!」


嫌な予感がしたんだ。

あいつとそんなに長い付き合いな訳じゃないけど、それでも、一緒に過ごしてれば、わかること。

瑠依は、めんどくさい事にはすぐ流されるけど、他人事で流されるやつじゃない。

あいつはいつだって
自分勝手だから……自分の意識がないと動かない。

だから……。

俺が好きだから、凪を気にかけるとかそんな事じゃない。

あいつの中で……何か……変わった?
< 125 / 141 >

この作品をシェア

pagetop