ダメオトコに恋して、バカ男に恋されて。
「なーぎ?」

「……。」

「頑張れって、言ってくれない?」

「……。」

「俺、凪が好き。」

「……え?」

「凪、好きだよ。」

「いや、瑠依くん……」



「んじゃ、とりあえず、凪を奪う為に、やっぱり
このかっこいいヒーローをやっつけないとね。」

「おまえ、マジかよ、」

「さっきから、言ってんじゃん。
俺もさすがこれ以上は普通にしてらんないし。」


「瑠依……。俺、いちお中学陸上部だったから。」


「へー。そーなんだ。ますますかっこいいヒーローだね。

でも、辰巳?
凪の横は2人もいらねーよ。」

「まーな。だから、おまえが諦めろ。」

「辰巳が勝てば問題ないだろ?ただ、俺は負けるつもりはない。凪は、俺の横、これも譲らない。」

「おまえ……。」

「だから、辰巳が諦めろよ。」

「……ウザイ。」


「おまえもな。」

「……。」

「あはは。んじゃ、辰巳ー。行こー?アナウンスかかったよ?」

「あぁ、」

あの、……。

さっきから、
あなた達、
私の存在……忘れてませんか?


私、いちお、うん。
いちお、当事者なんだ、よね?

そのまま、2人の立ち去る姿を見てれば、2人が、振り返って……。

「凪ー?ちゃんと見ててね?」
「凪、待ってて。」

私、





何してるんだっけ?
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