ダメオトコに恋して、バカ男に恋されて。
なのに……また、やっぱり女の子に囲まれてる……。

1階の端にある長椅子のベンチで、倒れ込んで寝てる瑠依くん。女の子達が、

「先輩、凄い早いんですね!!」
「私感動してー泣きそうでしたー♡」
「先輩飲み物いりますかー?」

あー。そっか。年上じゃなくて、下もありだもんね……。

とりあえず、話だけでもと思い……少しだけ近付いて、

「……瑠依くん……」と呼びかける。


何人かの女の子がこちらを見たけど、瑠依くんは起き上がる様子はない。ただ…女の子の合間から差出された手……。その手がこっちこっちと手招きしてる。

どうして、いいのかわからずにいると、

「……なぎー?死んじゃうから、早くー。」

呼びかけたのには気づいて貰えてたようで、とりあえず瑠依くんの前に向かって歩く。いちお私の方が、先輩にあたるので、年下の女の子達も前をあけてくれて……

差出された手がまだ、こっちと手招きするので、顔を片手でかくしてる瑠依くんの前に軽くしゃがんで、

いつも、瑠依くんがしてくれるように、頭をぽんと触った。
そして、

今、一番言いたかった言葉を言う。

「瑠依くん……お疲れ

様と言う瞬間に、瑠依くんの手招きしていた手が私の腕を掴み……さっきまで、顔をかくしてた腕が私の首に回され……

前のめりで、瑠依くんの胸に倒れ込む形になった。

「痛っ……//」
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