ダメオトコに恋して、バカ男に恋されて。
あれは、
高校入っての初めての夏休み。

莉子に誘われて、
莉子の部活仲間と他の数人で一緒に行った花火大会。


浴衣なんて着るつもりもなかったのに、
莉子が一緒にきてけ!
って半ば強制的に、買い物させられ、着てったわけで。

慣れない浴衣ながらも、皆で普通に楽しく、過ごしてたけど、その、花火の打ち上げ中、どうしても喉乾いたから莉子に付き合ってもらって、自販機にジュースを買いに行ったら、

……変なやつらに、ナンパされ。
これが、
しつこくて、ウザかった。


「ねー、いいじゃん?あっちで見よー」

「……。」

「うわ、シカト(笑)?」

「いいじゃん?ねー2人とも可愛いし、女の子だけより、一緒のが楽しいじゃん。」

「友達いるから本当にいいですから。」

「可愛いー!んじゃ友達も一緒でね!後で連れてくればいいじゃん!」

「しつこいと、警察呼びますよ?」
「あー!もう!しつこい!!」

莉子とタイミングが被るくせに、
なんで私は冷静に言えないんだか。

「あはは。可愛いねー。大丈夫手なんか出してないし。」

ウザイ。
ダメだ。
ジュースは諦め、皆の所に戻ろうとした時、

「葉山ー?」

「……東城くん。」
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