ダメオトコに恋して、バカ男に恋されて。
遠目ながらもカップルをガン見してれば、
そりゃ気付かれる訳で。

瑠依くんがこちらを見て
彼女に置かれていた手を離して、私達の方へくる。


「あれ、凪と、辰巳?」

いつもの瑠依くんの笑顔。

「よー。リア充。爆発しろって。」

「あはは。ひでーな。」

「彼女いいのか?」

「えー?なにが?」

「置いてけぼり。」

「あー。本当だ。んじゃ連れてくるわ。」

……。
瑠依くんの彼女……。


「別にいいよ?俺達に関係ないしー。デート中だろ?」

「うわ、冷たい。てか俺達?」

「なにー?」

「凪と辰巳こそ、何してんの?」

「デート(笑)」


「ふーん。そーなのー?凪?」

……。


さっきのシーンが頭から離れない。

そして、


見たいけど
見たくない、彼女の存在が……怖い。
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