ダメオトコに恋して、バカ男に恋されて。
「ごめんねーデート中に。」

私の言いたかったセリフを横山が言う。

「あ、いや!全然……。
えっと仲いいんですか?」

「うん。俺とこっちの凪と瑠依は皆1年の時から同じクラスで仲良しだよ。」

「……そうなんですね。瑠依くんあんまり学校の話とかしないから。会えて嬉しいです……。」


彼女の複雑そうな顔。
瑠依くん、相変わらずなんだね……。


「うん、ありがとう。
でも、俺達もデート中だから、またね。」

「あ、そうなんですね!!邪魔してごめんね?」


明らかな安堵で、
可愛い彼女の顔が私に向けられる。


「……いえ。」

やっと出た言葉……。

「凪、辰巳と付き合ってんのー?俺聞いてないよ?」


うん。
デートとか私も初めて聞いたし。

でも、今はそれどころじゃない。

とにかく、もう。




帰りたいんだよ。
< 47 / 141 >

この作品をシェア

pagetop