ダメオトコに恋して、バカ男に恋されて。
帰りのHRが終わり、
部活などの準備をする人がチラほら残る教室で。

「凪、何してんの?」

瑠依くんが、私の席の前に座る。

「日誌書いてるー。瑠依くんは?帰らないの?」


特に顔を上げずに、応える。
やっぱり、昨日の今日じゃ、この近い距離で、瑠依くんの顔を直視できない。

「うーん。帰るけど。」

「んー?どうしたの(笑)?」

「……。いや(笑)、凪見てる(笑)」

「あはは。何それ。」


「手伝おうか?」

「ありがと。でも、もうだいたい書けたし、適当で大丈夫でしょ(笑)担任職員室行っちゃったよね。よし!出してくる!」

「んじゃ、また明日ね♡瑠依くん大好き♡」


教室を出る時には普通に笑顔で言えた。

私を見る瑠依くんは
いつも通りの優しい笑顔。


あの顔で、
あの優しい顔で、


瑠依くんは彼女にキスしてるんだ。

それを考えると、同時に
横山を思い出す……。


はー。本当に、私、何してんだか。
< 64 / 141 >

この作品をシェア

pagetop