ダメオトコに恋して、バカ男に恋されて。
「凪(笑)?」

「笑わないでよ。」

「なぁーぎ?」

「大丈夫だから。めんどくさいこと、言わない、から。」

「凪。」


「全然大丈夫だから!!
キスくらい、いいじゃんか!!!」




「……辰巳、強引だったの?」

「……?」

「無理矢理?」

「……だったら何?」

「怒るよ。」

「なんで?瑠依くんが。」

「凪が泣くのは嫌だから。」


……。


大丈夫、

私は泣かないよ?


でも、

一番、私を、

泣かす事が出来るのは、

瑠依くん、だよ?


気づいてる?


それまで言わないと、
このダメオトコは、

わかんない、かな。


「あはは。大丈夫。全然、そんな事ないよ。」

「……。」

「横山は、優しいよ。バカだけど(笑)」

「……。」


「凪……俺としたいって、別れのキスって事?」

「……付き合ってないよ?」

「辰巳と付き合うの?」



「……瑠依くん……。」

やっぱり、あんたは

恋する心が全然分かってないよ。
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