ダメオトコに恋して、バカ男に恋されて。
「ごめん。」

「……凪?」

「私やっぱりめんどくさいね。前にそんな事言われた気がするなー。」

「……。」

「大丈夫。全部忘れて。帰ろっか。」

机にかけてあった鞄を取って、瑠依くんに背を向ける。

そのまま、教室を出ようとすれば、後からガタッと椅子から降りる音と、ともに、

ガシッ。
と、また後ろから腕をつかまれ……た。



一日で2回もあるもんなのかな。16年生きてて、こんなの1度もなかったのに。ある時は急にいきなりあるもんなんだ、な。

振り返れば、
やっぱり瑠依くんが私の腕を掴んでて。


「瑠依くん。私、もう謝ったよ?」

「……。」

「ごめんね(笑)ほら。帰ろ?」






「……もーめんどくさい。凪、ねー。じゃーキスしよ?すれば満足?なんなんだよ。」

「……。」

「したいんだろ?してやるって。」

掴まれてた腕を
強引に引き寄せられて、



「キスぐらいだろ?」


……。




………………。
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